ABOUT

展覧会概要

テーマ
Leeway
コンセプト

「Leeway」とは心の余裕・ゆとりを意味する言葉です。
また、船や飛行機が風によって針路からずれることを示す意味でも使われます。

わたしたちはそれぞれの目的地に向かって進む中で、
理不尽な出来事によって道を外れたり、前に向かって進み続ける気力を失ったりしてしまうことがあります。
船であれば荒波によって転覆したり、飛行機であれば乱気流によって墜落したりしてしまうことを避けるために、針路を変更するということが「ゆとり」とも捉えられます。
障壁が目の前に現れたとき、回り道することで「余裕」が生まれ、わたしたちは学び、成長し、人生が豊かに広がることでしょう。

しかし近年では、最短で目的をクリアするために、あらゆる無駄を削ぐという価値観が高く評価される風潮が目立ちます。
常に緊張感が漂い、他者を許すための心の余裕はなく、間違いやミスを起こしてしまった人を激しく非難する「炎上」という現象も起こっています。
わたしたちが生きている社会の中に非効率なものや異質なものが存在することを、
まるでシステム内に存在する「エラー:error」や「バグ:bug」と同じように捉え、排除しようとする。
そんな発想から争いや諍いが生まれてしまうのではないでしょうか。

今回のLINK展22では、「Leeway」をテーマにした作品を各作家が自らの視点で表現しました。
それぞれの作家の回答を通して、今求められている「余裕」や「ゆとり」とは何か、ご来場の皆様と共に考える機会になれば幸いです。